本記事ではSUMIFS関数について解説していきます。
データを絞って集計をする事が可能な関数にSUMIF関数がありましたが、検索条件は1つでシンプルな集計には向いていましたが、複雑な条件には向いていませんでした。
今回のSUMIFS関数では複数の条件に合致するデータを集計可能で、より柔軟に対応する事が出来る様になります。
- SUMIFS関数の使い方を理解出来る
- 複数の条件を満たすデータの集計ができ、幅広い範囲での対応が可能になる
SUMIFS関数の定義
定義:SUMIFS(合計範囲,条件範囲1,条件1,[条件範囲2,条件2],…)
複数の条件を満たすデータの合計を算出する関数
次項目でSUMIFS関数を構成する各引数について解説していきます。
SUMIFS関数の引数
SUMIFS関数の引数はそれぞれ次の役割を持っています。
合計するデータ範囲を指定する引数。
- 条件1で検索をするデータ範囲を指定する引数。
- 引数「条件1」とセット。
- 条件範囲1に対する条件の引数。
- 引数「条件範囲1」とセット。
- 条件2で検索をするデータ範囲を指定する引数。
- 引数「条件2」とセット。
- オプションの引数であり省略が可能。
- 条件範囲2に対する条件の引数。
- 引数「条件範囲2」とセット。
- オプションの引数であり省略が可能。
SUMIF関数との違い
SUMIF関数とSUMIFS関数をまとめると下記表の様になります。
項目 | SUMIF関数 | SUMIFS関数 |
---|---|---|
定義 | SUMIF(範囲,検索条件,合計範囲) | SUMIFS(合計範囲,条件範囲1,条件1,[条件範囲2,条件2],…) |
条件の数 | 単一 | 単一 or 複数 |
メリット | シンプルな条件の集計が可能 | 複雑な条件での集計が出来て、柔軟な対応が可能 |
デメリット | 複雑な条件では対応出来ない | 複数の条件を記述する為、記述には慣れが必要 |
全体的にSUMIFS関数の方がメリットがあるように見えますが、複数の条件を扱う条件式を書く為、条件式の記述間違いが発生する可能性はSUMIF関数よりも高いので記述する時は注意が必要です。
状況に応じて、それぞれに適した関数を使い分ける事が大切に
なります。
実例
次のデータを使って各条件時の結果をそれぞれ解説していきます。
例1)条件範囲・条件が2つの場合
クラスが「1」で国語の点数が80点以上の数学の合計を求める為、セルG4に
と入力すると次の様になります。
この数式は2つの条件範囲・条件から成り立っており下記の通りになります。
- 条件範囲1⇒A4:A12
- 条件1⇒1
- 条件範囲2⇒C4:C12
- 条件2⇒“>=80”
この2つの条件を満たす人はA,Cが該当するので、求める数学の合計値は89+84=173となります。
例2)条件範囲・条件が3つの場合
クラスが「3」で国語と数学の点数がそれぞれ70点以上の英語の合計を求める為、セルG8に
と入力すると次の様になります。
この数式は3つの条件範囲・条件から成り立っており下記の通りになります。
- 条件範囲1⇒A4:A12
- 条件1⇒3
- 条件範囲2⇒C4:C12
- 条件2⇒“>=70”
- 条件範囲3⇒D4:D12
- 条件3⇒“>=70”
この3つの条件を満たす人はD,F,Gの人なので求める英語の合計値は63+60+78=201となります。
例3)単体条件(オプションなし)の場合
クラスが「1」の人の国語の合計を求める為、セルG12に
と入力すると次の様になります。
この数式は単一の条件範囲・条件から成り立っており下記の通りになります。
- 条件範囲1⇒A4:A12
- 条件1⇒1
この単一の条件を満たす人はA,C,Iの人なので求める国語の合計値は83+100+75=258となります。
複数条件を扱う為に使われるSUMIFS関数ですが、条件範囲1,条件1以降の条件範囲と条件はオプションなので、オプションが無い状態だと単一の条件で合計を算出してくれます。
以上で解説は終了となります。
SUMIF関数を使用する事で、複数の条件を同時に満たすデータの合計を簡単に算出してくれるので積極的に活用してみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。